医療情報技師の記録

システム管理者として働く病院職員の記録です。

計画停電におけるシステム停止(初)

 16日(日)に、設備点検による停電のため、院内全体のシステムの停止作業を行いました。オーダリングシステムを導入後、初めてのシステム停止の為、非常に神経を使いました。
 当院では、システム全体をカバーできるような自家発電機が無い為、システム停止時は紙運用となります。しかし、部門システムも全て停止する為、診療は限定した内容のみとなります。
 停電時間は最長で2時間の予定。
 まず、一番大事なのは「院内への周知・徹底」です。停電が計画された時点で通達することは勿論、連絡会や朝礼等でしつこい位に停電の周知を行いました。オーダリングシステムのポータルにある掲示板へも掲載しました。
 次に、各システムメーカーへの連絡です。さすがに日曜日ということで、立ち合いはありませんが、サポートへの連絡体制や、停止~起動のマニュアルや注意点を確認しておきます。電話関係の対応も必要となります。当院ではひかり電話を導入しておりますので、ONUとOGが止まらないよう、UPSのバッテリーを新品に交換しておきました。
 次に、システム停止時も患者ID検索や入院患者検索ができるよう、最新の状態のcsvデータを抽出しておき、バッテリーを満タンにしたノートパソコンへ保存しておきます。
 停電時のシステム対応は3名で行いました(各部門へも協力を要請してあります)各役割を決め計画表を作成、計画表通りに進めていきます。
 いよいよ開始です。停電予定時間の30分前から、館内放送を行い順番にシステムを停止していきます。停止作業に入る前に、再度部署を回りシャットダウンされているか確認します。基本的に、止めても良いと思われるサーバーからシャットダウンしていきます。オーダリングシステム関係は最後です。サーバーがシャットダウンされたら最後に各UPSを止めて完了です。

 停電中は基本的に何もできませんので、ラベルプリンター等の清掃やひかり電話UPSの残量の確認等を行いながら通電を待ちます。

 いよいよ通電です。まずはネットワーク機器から起動を確認します。サーバー室のL3及び基幹の各L2が起動していることを確認。

 次に、オーダリング関係のUPSの電源を入れる・・・あれ???10台あるサーバーの電源が同時に入ってしまいました。起動もUPSと連動してたのか!メーカーが言っていた話とちがう・・・結局、サーバーが全部起動したあと、再度シャットダウンを行ったため、大分時間がかかってしまいました。シャットダウン確認後、オーダリングシステムと医事会計システムのサーバーををメーカーが指定した順番に起動していきます。起動が終わったら各部門システムのサーバー、事務用のサーバーを起動します。

 システムが起動したら動作確認です。新患登録から受付、オーダーから部門連係、ラベルや処方箋等の出物が問題なく出るかを確認します。

 オーダリングシステム関係は問題なかったのですが、検体検査システムで問題発生。検体検査の管理PCとモダリティを接続する機器の電源が入らず、検査が手動でしかできない状態に。このままでは、翌日の診療に多大な影響が・・・検査メーカーに連絡しても休日の為か全然連絡が来ず、時間ばかりが経過。しかし、その接続する特殊な機器が、検査室内に2台あることがわかり、もう一台の機器のACアダプターを使ってみたら起動することが判明。そこで、同じアンペアとボルトのACアダプターを院内中探し回り、アンペアは多少小さいですが、同じボルトのACアダプターを発見。それを流用し事なきを得ました。

 作業中に地震速報の警告音が鳴ったりして、オーダリング稼働時と同じくらい胃が痛くなる対応となりました。

 設備点検による停電は、今後も定期的に発生しますので、今回の作業をマニュアル化し、極力問題が発生しないようにしていきたいと思います。